この物語はフィクションであり、・・・・・

第13話 何が美しいんでしょう?

 すごいよね、今の首相は。

 いきなり何言いたいの?

 お前も知ってるだろうけど、演説の中にね、必ず知らない外国語が入ってるんだよ。

 ああ、『スキーム』とか『レジーム』とか?

 そうそう、お前意味解る?

 新聞なんかに意味書いてあるだろう? 見てないの?

 そうなんだ? でも、わざわざ解説が必要な外国語を、スラスラ話せるってすごいよね? きっと、インテリなんだろうね?

 そうかもしれないけど。まあ、血統が良いからね。

 本当にすごいよね。 アメリカに行っても、ブッシュ大統領をすぐに『ジョージ』って呼び捨てにするし。

 あのね、向こうでは名前に敬称を付けなくてもいいの。そういう国だから。

 へー? じゃ、だれにでも名前で呼んで良いの?

 知らない同士じゃあ、いきなり名前では呼ばないよ。

 そうすると、やっぱりすごいよね。 あんまり会ってないのに、すぐ『ジョージ』って呼んじゃうんだから。

 そうかな?

 それからね、国内向けの演説でさえあれだけ外国語が入るんだから、英語なんかは当然堪能なんだろうね。  通訳無しで話できるなんて、宮沢首相以来かもね。

 そうかも知れないね。

 そんなすごいのに、『美しい日本』にしようって、日本語を使うあたりが奥ゆかしいね。 俺でも知ってる、『Beautiful Country』じゃないんだよ。

 そうね。

 でも、『美しい日本』になったら、俺住んでられるかな?

 なんで?

 だって、普通の会話にもあんなに外国語を入れなくちゃいけないんだろ?




 そうだね、『美しい日本語』を話す国じゃなさそうだからな。


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