この物語はフィクションであり、・・・・・

第07話 やわらかいんです。

 やわらかいわねー、あっという間に無くなっちゃったわ!


 ほんと!  口の中で溶けるみたい! やわらかいわねー!


 思い切って、ここに来て良かったわね。


 ええ、テレビに出ただけのことはあるわ!


 まあ、さすがに値段も一流ですけどね!


 でも、国産最高級牛ともなると、まるで別の食べ物みたいね!


 私も、こんなに違うとは思わなかったわ。


 ええ、でもこんなの食べちゃうと、安いのはもう食べられないわね?


 うーん、それが大きな問題ね!


 でも、たまにはこんな食事も悪くないわね!?





 ありがとうございました。 お客様、如何でございましたでしょうか?


 ええ、すごくやわらかかったわ!


 そう、やわらかくって、溶けちゃうみたいだった!


 あの、お味の方は如何でございましたでしょうか?


 だから、『やわらかい』って言ったじゃない?


 そうよ、なに言ってんの!?


 申し訳ございませんが、『やわらかい』と申しますのは『食感』のことだとは存じますが、『味覚』の表現ではございませんので・・・


 なによ! 失礼ねー! この前ここがテレビで紹介されたとき、出てたタレントだって『やわらかい』って言ってたじゃない!!


 ほんと! 感じ悪い! 一般人だと思ってバカにしてんじゃないの!?


 いえ、決してそのようなことは・・・


 何よ、バカにして!! いいわ! こんな店、もう来ないから!!


 会社で言いふらしてやりましょ!! ひどい店だから、絶対行くなって!!


 ええ、それと知り合いみんなにメールしてやるわ!!


 私も!!




 あのー、ちょっとお待ち下さい!! 決して、失礼なことを申し上げたつもりでは・・・



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